CSモルタル工法は、けい酸塩系表面含浸工法と無機系被覆工法の複合工法であるため、一般的な無機系被覆工法の施工管理に加え、けい酸塩系表面含浸工法としての施工管理を行っています。
CSモルタル工法(表層改質複合工法:表面含浸工法+無機系被覆工法)の施工管理(例)
工程 | 作業内容 | 施工管理の内容 | |
準備 | 材料搬入 | 搬入確認: | 搬入毎、ロット毎に記録する。 |
品質管理: | 材料の品質を試験成績表で確認する。 CSクリアーは、比重およびpH値検査を実施し、記録する。(写真01)※1 |
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下地処理 | 高圧洗浄 | 品質管理: | 頻度を設けて、付着強度(下地)を測定し、記録する。 |
出来形管理: | 施工前後の表面状態、施工状況、使用機械、施工時の洗浄圧力等を確認し、記録する。 | ||
CSクリアー (1回目) |
CSクリアー 散布 |
品質管理: | 頻度を設けて、施工前後にフェノールフタレイン溶液を噴霧し、呈色状況を記録する。 (写真02)※1 |
出来形管理: | 施工前後の表面状態、施工状況、使用機材、使用数量を確認し、記録する。 | ||
表面被覆 ※2 (不陸調整含む) |
配合 /練り混ぜ |
出来形管理: | 作業開始時に試験練りを行い、施工環境に応じて、最適な水比・練り混ぜ時間を確認し、記録する。 |
CSモルタル コテ塗り |
品質管理: | 頻度を設けて、供試体を作成し、圧縮強度(材齢28日)を測定し、記録する。 |
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出来形管理: | 練り上がり材料毎に作業時間を計測し、可使時間以内であることを確認し、記録する。 両壁面、底版の被覆厚さを測定する。被覆材硬化前は検診針等で、被覆材硬化後は、被覆前に予め取り付けた厚み管理ガイド(木片等)を除去し、ノギスやデプスゲージ等で測定する。(写真03) |
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CSクリアー (2回目) |
CSクリアー 塗布 |
出来形管理: | 施工前後の表面状態、施工状況、使用機材、使用量を確認し、記録する。 |
養生 | 養生 | 養生: | 天候、最低温度、最高温度、湿度を測定し、記録する。 (低温対策などを行った場合は別途記録する。) |
施工完了 | 品質管理: | 頻度を設けて付着強度(被覆後)を測定し、記録する。 | |
出来形管理: | 仕上がり状態を施工箇所・部位毎に測定または目視点検し、記録する。 材料の総使用量が分かるもの(空缶、梱包材等)を撮影する。(写真04) |
※1 けい酸塩系表面含浸工法(CSクリアー)独自の項目については、赤字にて表示。
※2 CSモルタル工法は、不陸調整と表面被覆を同じ材料(CSモルタル)で行う。
写真01:材料搬入 | 写真02:フェノールフタレイン溶液噴霧 | |||
CSクリアーの比重検査 | CSクリアーのpH検査 | CSクリアー散布前の呈色状況 | CSクリアー散布後の呈色状況 | |
写真03:被覆厚さ管理 | 写真04:材料の使用料管理 | |||
被覆厚さ測定硬化前 | 被覆厚さ測定硬化後 | CSモルタルおよびCSクリアーの空袋検収 | ||
参考資料
『農業水利施設の補修・補強工事に関するマニュアル【開水路補修編】(案)』(農林水産省)
『表面保護工法 設計施工指針(案) 表面含浸工マニュアル』、『けい酸塩系表面含浸工法の設計施工指針(案)』 (土木学会)